拡大を続けるペット産業 ― 世界市場の規模と成長トレンド

ペット産業は、世界的に見ても安定性と成長性を兼ね備えた消費分野の一つとして注目されています。一時的なブームではなく、家族観やライフスタイルの変化を背景とした構造的な市場拡大が進んでいます。

世界市場の規模

Grand View Research(2023年)によると、世界のペットケア市場規模は2022年に2,466億6,000万米ドルに達し、**2023年から2030年にかけて年平均成長率(CAGR)7.0%**で拡大すると予測されています。

また、Morgan Stanley Research(2023年)は、米国市場が2022年の約1,368億米ドルから2030年には2,600億米ドル超へ拡大する可能性を示しています。

これらのデータは、景気変動の影響を受けにくい構造的成長市場であることを示しています。

成長を支える構造要因

市場拡大の背景には、以下の要因があります。

  • ペットの家族化(人間化)

  • 健康・ウェルネス志向の高まり

  • プレミアム商品の拡大

  • 単身世帯の増加

  • 少子高齢化などの人口構造の変化

日本においても、一般社団法人ペットフード協会(2023年調査)によれば、犬と猫の飼育頭数は合計約1,500万頭超とされ、15歳未満の人口規模に近い水準となっています。これは社会構造の変化を象徴するデータといえます。

拡大が続く主要セグメント

特に成長が顕著な分野として、以下が挙げられます。

  • プレミアム・機能性フード

  • 動物医療・予防医療サービス

  • ペット保険

  • パーソナライズ商品

  • 体験型・ライフスタイル関連サービス

Allied Market Research(2023年)によると、プレミアムフード分野は今後も市場シェアを拡大する見通しです。

連携機会が広がるエコシステム

ペット産業は単なる商品市場ではなく、「体験」や「コミュニティ」への投資が進むエコシステムへと進化しています。

安定した市場規模と中長期的な成長性を背景に、異業種との連携や新しいビジネスモデル創出の余地も拡大しています。ペット産業は今やニッチ市場ではなく、グローバル規模で確立された成長分野といえるでしょう。


参考資料

  • Grand View Research, Pet Care Market Size Report 2023–2030, 2023年発表

  • Morgan Stanley Research, US Pet Industry: Playing “Fetch” in a Growing Industry, 2023年

  • 一般社団法人ペットフード協会, 「2023年全国犬猫飼育実態調査」

  • Allied Market Research, Pet Food Market Outlook 2023